歯の色にはどうして個人差があるの?

テレビや雑誌、広告などで見ることがある芸能人やハリウッドスターのような白い歯を見ると、自分の歯の色はすごく黄色なのではないかと気になって思わず鏡で確認をしてしまったことはありませんか?

 

さすがに、芸能人やハリウッドスターのような不自然なほどの真っ白な歯というのは、自然な歯の白さが好まれる日本の一般の方ではあまり見かけることはありませんが、ホワイトニングが一般的になっている欧米などでは理想とされています。

 

 

歯の構造は大きく3層構造からなっており、歯の一番外側(表面)には白色で半透明の「エナメル質」、その下には黄色っぽい「象牙質」があり、象牙質の中には歯の神経である歯髄があります。

人の歯の色は、エナメル質の色・透明度・厚さ、象牙質の色の組み合わせによって歯の色が決まることで一人ひとり歯の色は異なります。では、歯の色の違いにはどのような理由があるのでしょうか。

 

 

象牙質の色の違い

 

歯の象牙質の色は一人ひとり違っており、黄色っぽい象牙質の色は肌や髪の色と同じように、生まれつき色の薄い方もいれば濃い方もおり、白色半透明のエナメル質をから透けて見える象牙質の色がその方の歯の色ということになります。

 

 

エナメル質の厚さや色の違い

 

人の歯の白さを左右するエナメル質の厚さや透明度は人によって違いがあり、エナメル質が厚いほど中にある象牙質の黄色が隠れるため歯が白く見え、薄いほど象牙質の黄色が透けて歯の色が黄ばんで見えてしまいます。

 

日本人が含まれている黄色人種のエナメル質は、白人や黒人の方よりも薄いので象牙質の色が透けて見えてしまい、欧米の方よりも日本人の歯の方が黄色く見えてしまいます。

 

 

デンタルケアに対する意識の違い

 

最近は日本でもホワイトニングを意識する方が増えてきてはいるものの、ホワイトニングが一般的になっている欧米の方より、まだまだデンタルケアに対する意識が低いと言われています。

 

そのため、歯のクリーニングや定期健診などをしていない方も多く、欧米の方と比べると歯の表面に汚れが残っている方が多いため、デンタルケアを意識している方とそうでない方の歯の白さは大きな違いが見えます。

 

 

シェードガイドって何?

 

歯科医院や歯科技工士さんが歯の詰め物や被せ物をするときに、患者さんの歯の色にできるだけ合った色の材料を選ぶための器具で「歯の色見本」です。

 

作っている会社によって違いますが、一般的に色の種類はA〜Dのアルファベット、色の濃さは数字で表されており、アルファベットと数字の組み合わせで色を表しています。

 

最も多く使われているシェードガイドでは、一番白い色の「W1・W2」の芸能人レベル、「W3〜A1」の周りに白いと気がついてもらえるレベル、最も黄色く見える「C4」まで20種類近くの色見本があり、日本人の平均的な色はA3.5と言われています。

 

歯が白くなりすぎてしまうと悪目立ちする?

本来の自然な歯の白さは、持って生まれた歯のエナメル質の厚さが象牙質の色などによって一人ひとり違っていますが、理想の白い歯の基準も人それぞれ違っています。

 

また、口内の環境の悪さであったり食べ物や飲み物による歯の黄ばみや着色汚れ、タバコを吸うなど、さまざまな理由によって歯の表面には汚れがつきます。歯の表面の黄ばみや着色汚れなどは、ホワイトニング歯磨き粉や歯科医院で歯のクリーニングをすることによって、歯を本来の白さに戻すことができますが白さに限度があります。

 

歯の白さをもともとの色よりも白くしたい場合、歯科医院でのホワイトニングをすることになるのですが、白い歯の基準は人によって違うため、本人は真っ白な歯にしたいと思ってホワイトニングをしたとしても、周りの人から見ると「白すぎる不自然な歯」という印象になって悪目立ちしてしまうことがあります。

 

それでも自分は不自然なぐらいの真っ白な歯がいい!という方はそれでOKです!しかし、なるべく自然な歯の白さをと思っている方は、ホワイトニングをしたあとの歯の白さを歯科医院の先生とじっくりと相談してからにしましょう。