歯磨き粉に配合されているハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)とは?

ホワイトニング歯磨き粉に配合されている成分で「ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)」が使用されているものがあります。ハイドロキシアパタイトと聞いても、歯にいい成分なのかな?歯を白くしてくれる成分なのかな?と実際のところはよくわからず、ホワイトニング歯磨き粉を購入している方もいるのではないでしょうか。
では、ホワイトニング歯磨き粉に配合されている「ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)」とは、一体どのような成分なのでしょうか?
ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)ってどんな成分なの?
ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)は、リン酸カルシウムでできた歯や骨を構成する成分で、人間の身体の中では水とコラーゲンなどの有機物に次いで多い成分です。人間の身体の成分比率では、骨では65%、歯のエナメル質の97%、象牙質の70%がハイドロキシアパタイトの成分で構成されています。
歯と同じ成分でできているので歯と固さが似ており、歯磨き粉に配合されて磨いても歯に傷がつきにくく、タンパク質を吸着して取り除く性質があるため、歯の表面の汚れを吸着しながら取り除くという特徴があります。
また、歯の表面のエナメル質についてしまった細かい傷に、ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)の成分が浸透して傷を修復し、ミネラル成分が溶け出した部位にカルシウムイオンとリン酸イオンを補給してくれるので、初期虫歯を再石灰化してくれます。

ハイドロキシアパタイトは、生体親和性が高いことから、医療機器や歯科材料(例えばインプラントのコーティング、骨形成の材料や人工歯根など)と拒絶反応を起こすことなく結合することができるため、合成成分として広く使われています。
身近なところでは、歯磨き粉だけではなく健康食品や化粧品にも配合されています。
歯の脱灰と再石灰化とは?
人は食事をすることによって、口内に細菌が増えてプラーク(歯垢)が形成され、プラークの中の細菌が酸を出し、歯からカルシウムやリンの結晶が溶け出す「脱灰」と、唾液に含まれるカルシウムやリン酸が歯に取り込まれて元にもどる「再石灰化」を1日の中で何度も繰り返します。食べ物を毎日食べる私たちは、脱灰→再石灰化→脱灰→再石灰化…を生きている限り繰り返します。そのため、歯が健康な状態でいるためにはきちんと脱灰→再石灰化という流れが必要になります。
歯の表面の歯垢によって細菌が増えることで作られる酸、食べ物の菌が糖から作り出す酸が、口の中を酸性にして歯を溶かすことをいいます。

再石灰化とは?
唾液に豊富に含まれているリン酸イオンやカルシウムイオンが歯のエナメル質表層下に浸透することで、溶けて失われた部分に再び補充され、脱灰された歯を元の健康状態に戻していくことをいいます。
このときに、だらだら食べ続けて口内環境が悪いと、脱灰ばかりで元にもどる時間がわずかしかなく、再石灰化がうまくいかず虫歯になってしまったり歯の黄ばみや着色汚れなどの原因となってしまいます。
再石灰化がうまく行われるようにするためには、歯の表面の歯垢などの汚れをキレイに除去し、唾液がきちんと歯の表面に接することができるようにすることが大切です。
ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)の成分が配合されている歯磨きを使用していくことで、歯の表面の細かい傷を修復することができるので、ツルツルの歯と健康な口内環境を作っていくことができます。
「薬用ハイドロキシアパタイト」と「ハイドロキシアパタイト」の違いとは?
ハイドロキシアパタイトには、タンパク質を吸着して取り除く性質があるため、歯の表面の汚れを吸着しながら取り除くという特徴があり、ホワイトニング歯磨き粉の成分として、商品によって「薬用ハイドロキシアパタイト」、「ハイドロキシアパタイト」と記載されているものがあります。一見同じ成分かと思いがちですが、薬用ハイドロキシアパタイト<mHAP(エムハップ)>は、株式会社サンギが独自の技術によって開発した虫歯予防の薬用成分のことで、一般的なハイドロキシアパタイトと効能効果が区別されている成分で、3つの作用でむし歯予防効果のある薬用成分として1993年に誕生しました。
薬用ハイドロキシアパタイトの有効成分
薬用ハイドロキシアパタイト<mHAP(エムハップ)>は、歯磨き粉にナノ粒子レベルで配合されており、リン酸とカルシウムから合成され歯を構成する天然のハイドロキシアパタイトに極めて近く、歯に直接作用してなじみやすいミネラル成分です。
薬用ハイドロキシアパタイトが配合されている商品には、<mHAP>インサイドマークがパッケージに必ずついているので、このマークで確認することができます。

しかし、店頭に並んでいる歯みがき剤の中には「ハイドロキシアパタイト配合」とパッケージに記載されているのに、<mHAP>インサイドマークがついていない商品があります。
この場合、パッケージ裏面の成分表示を見ると、「ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)」は研磨剤(清掃剤)や基剤として配合されているので、虫歯予防としての薬用成分である「薬用ハイドロキシアパタイト」とは別の目的で使用されています。
「薬用」とついていなハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)は、ただの研磨剤や基剤という扱いになります。
ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)はエナメル質と同じ成分なので、歯の表面の汚れを削って落とす一般的な研磨剤とは違い、エナメル質自体を過度に削るという心配はないと言えます。
歯が白くなるホワイトニング歯磨き粉おすすめ5選
プラークやステインをキレイに落とすために、歯科医院でホワイトニングをしてもらいに行きたい!とは思いつつも、特別なケアが面倒そうだったり、忙しくてなかなか歯科医院へ行くことができなかったり、お金がかかりそう…など、そんな方に普段の歯磨きに取り入れるだけ、自宅でできるおすすめのホワイトニング歯磨き粉を紹介します!
販売元:株式会社 ソーシャルテック
価格:初回限定 1,280円(税込)
■有効成分
ポリエチレングリコール400(着色汚れやヤニ除去する)
ゼオライト(歯石の沈着を防止)
フッ化ナトリウム(虫歯を予防して健康な歯を保つ)
グリチルリチン酸ジカリウム(歯槽膿漏・歯肉炎を予防)
塩化セチルピリジニウム(口臭を防止)
イソプロピルメチルフェノール(虫歯の発生及び進行を予防)
酢酸DL-α-トコフェロール(歯槽膿漏・歯肉炎を予防) など
健康食品・化粧品・医薬部外品の商品も販売している株式会社ソーシャルテックから、ホワイトニング歯磨き粉「ブレスマイルクリア」が発売され、雑誌などにも取り上げられています。
口内環境を健康にしてくれ、白い歯へと導くための有効成分7種と、さらに天然由来成分が配合されています。
また、鉱物油、パラベン、石油系界面活性剤、シリコーン、紫外線吸収剤、漂白剤などは一切入っていません。
販売元:株式会社シャリオン
■有効成分
ヒドロキシアパタイト(歯の再石灰化・虫歯予防)
ポリリン酸Na(ステインを浮かせて落とし歯石を抑制する)
パール・酸化ジルコニウム(歯を白くする)
マスティック(歯周病・虫歯予防) など
美歯口シリーズのなかの1つである美歯口 30 DAYS WHITENING KITは、ゲンキングさんがプロデュースしている、就寝前30個+起床時2個の計32個が個別になって入っているホワイトニング歯磨き粉で、多くの歯磨き粉で使用されている石油系防腐剤は配合されておらず無添加です。
独自開発の「イオンバランス」によって成分が配合されており、歯のエナメル質のコーティング、虫歯、歯の黄ばみ、汚れなどの原因から歯を守ります。
販売元:株式会社 サンギ
105g 価格:1,683円(税抜)
■有効成分
ハイドロキシアパタイト(汚れの付着を予防して美しい歯をつくる)
ポリエチレングリコール400(着色汚れやヤニ除去する) など
歯の主成分であるハイドロキシアパタイトは、エナメル質に97%、象牙質に70%含まれている、体に欠かせない歯と骨の最も重要な構成成分で歯とほぼ同じ成分です。
アパガードプレミオには、このハイドロキシアパタイトが配合されており、歯垢を吸着除去、ナノレベルで歯の主成分ハイドロキシアパタイトを補給し、ミネラルが溶け出したエナメル質の欠損部を修復・再石灰化してむし歯を予防します。
歯の表面のエナメル質を健康にしてくれて、パール成分なども配合されているので歯を白くしてくれます。
販売元:株式会社 ジーシー
価格:1,530円(税込)
■有効成分
高濃度に配合したLime粒子・ポリエチレングリコール(PEG)400(着色汚れやヤニ除去する)
モノフルオロリン酸ナトリウム(フッ素)(歯の再石灰化・虫歯予防)
歯科専売品のホワイトニング歯磨き粉で、WEBのみでAmazon、楽天、Yahoo!ショッピングで販売されています。
薬用成分のポリエチレングリコールと高濃度に配合したLime粒子(清掃剤)が配合されているので、効果的に歯の黄ばみや着色汚れを落としてくれます。
ナノサイズの研磨剤が配合されており、汚れを浮かして着色汚れを落とすので毎日使用しても歯に傷がつくことがありません。歯に付着したヤニや着色汚れが気になる方におすすめです。
また、フッ素の濃度も高く、歯の再石灰化を促して虫歯予防をします。
販売元:美健モール
初回限定価格:2,980円(税込)
■有効成分
ポリリン酸Na・メタリン酸Na(ステインを浮かせて落とし歯石を抑制する)
DL-リンゴ酸(黄ばみ・油汚れをケア)
イソプロピルメチルフェノール(歯周病・口臭予防) など
製薬会社と共同開発した自宅でできるホワイトニング用の薬用成分が配合されているので、歯のホワイトニングだけではなく、健康な歯ぐきへと導き、口臭予防もします。
研磨剤・発泡剤・界面活性剤は使用されておらず、歯の表面の汚れを優しく引きはがすので、刺激や痛みがなく使用することができます。
歯のすみずみまでキレイにするブラッシングの仕方とは?
ホワイトニング歯磨き粉を使用して本来の歯の白さを取り戻すことと同時に、キレイは歯を保つためには、虫歯予防や歯周病を予防するため、正しいブラッシングをすることが大切です。
そして、せっかくのホワイトニング歯磨き粉によるブラッシングも、自分に合ったサイズの歯ブラシを使用していなければ、しっかりと歯のすみずみまでブラッシングすることができません。
自分に合った歯ブラシの選び方
奥歯などをしっかりと磨きたい人は小さいサイズのヘッドを、細かく磨くことが苦手な人は普通のサイズのヘッドを選びましょう
歯ぐきが健康な人は普通の硬さを、歯ぐきが弱っている人はやわらかめのものを選びましょう
グーで持って強く磨いてしまいがちな人はボールペンを持つようにして磨ける真っすぐで細めのものを、しっかりと握ることができにくい人は握りやすい太めのものを選びましょう。
歯周病・虫歯予防には歯周ポケットにまで毛先が届く『超先細毛』
ホワイトニングには歯の表面に効率よく歯磨きを運ぶことができる四角断面毛の『ステインクリア毛』
歯ぐきの腫れや出血が気になる人には歯ぐきにやさしい『先端3本毛』など、それぞれの目的によって毛先を選びましょう。
ホワイトニング歯磨き粉の有効成分をしっかりと実感できるように、歯と歯の隙間や細かい溝などにも成分が行き届くような、小回りがきいて毛先がやわらかく四角断面毛の歯ブラシを選んでブラッシングしましょう!
歯医者さんが推奨するブラッシング方法
スクラビング法(3分)+バス法(2分)を組み合わせる
- スクラビング法
歯の外側は歯ブラシの毛先を歯に90度にあてて、鉛筆を持つようにして力を入れすぎず(毛先が広がらない程度)小刻みに横に動かし、歯の内側は歯ブラシの毛先を歯に45度にあてて磨き、歯間部の歯垢を落とします。
- バス法
歯ブラシの毛先を歯ぐきと歯の境目に45度の角度にあてて、鉛筆を持つようにして力を入れすぎず(毛先が広がらない程度)小刻みに横に動かして磨き、歯周ポケットの汚れをかき出す磨き方です。
普段なんとなくしている歯磨きですが、歯医者さんが推奨するブラッシング方法によって、ポイントをしっかりと押さえて歯磨きをすることで汚れを除去して歯が白くなり、虫歯も予防することができます。
飲食をすることで歯の表面につく汚れが付着してしまう前に、食後の歯磨きが難しい場合には口をゆすぐだけでも違います。
また、就寝中には唾液の分泌量が少なくなることで口内環境が悪くなりがちなため、就寝前の歯磨きはブラッシングに力が入ってしまわないように軽い力でしっかりと磨いて、口の中に汚れが残らないようにしましょう。
自宅でもできるホワイトニング歯磨き粉によるホワイトニングは、歯磨き粉に配合された成分とブラッシングによって歯の汚れをキレイにして本来の歯の白さを取り戻すための方法です。
歯科医院でのホワイトニングと同じように、歯自体を白くしたい、紙のような真っ白な歯にしたい、今すぐ歯を白くしたいと即効性を求める方は自宅で使用できるホワイトニング歯磨き粉ではなく、歯科医院でのホワイトニングをおすすめします。
ハイドロキシアパタイト配合ホワイトニング歯磨き粉のまとめ
ホワイトニング歯磨き粉は、本来の歯の白さを取り戻すために歯の表面の汚れを除去する効果や、歯のエナメル質についてしまった細かい傷の修復をしてくれる成分が配合されているものを選ぶことが、美しい本来の白い歯を取り戻すために大切です。
白く美しい歯でいるためには、強すぎるブラッシング、固い食べ物による細かい傷、歯の表面についた歯垢内から出る酸、エナメル質内部からミネラル成分が溶け出すなどのエナメル質のダメージを、ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)の成分で修復していくことが必要です。
ハイドロキシアパタイトの成分はまく活用していくことで、本来の自然な白い歯を取り戻すことが期待できます。
しかし、ハイドロキシアパタイトが配合されていると記載されているホワイトニング歯磨き粉でも、ホワイトニングの有効成分としてではなく、研磨剤として配合されているものもあるため購入するときには注意が必要です。