口呼吸にはどうしてなってしまうの?
毎日の生活のなかで呼吸の仕方を意識したことはそれほどありませんよね?
風邪や花粉症などのアレルギー症状などで鼻が詰って、気がついたらなんだか口の中が乾くなぁと、そこでようやく自分が口で呼吸をしていたということに気がつく方もいるのではないでしょうか。
「鼻呼吸」と「口呼吸」どちらがいいの?
基本的に、人は鼻で呼吸をして口を閉じています。
まず、口呼吸ではなく鼻呼吸がいいと言われる理由には、1日に約1リットルも分泌される鼻水が、鼻を通る空気に90%以上の湿度にして体内に入り乾燥を防いでくれるからです。
また、鼻毛があることでほこりが体内に侵入するのを防ぎ、鼻粘膜に生えている微細な線毛と、抗体がある粘液が細菌やウイルスなどを捕獲することで鼻から入った異物の多くが排除されるため、感染症にかかるリスクが少なくなります。
では、いったい鼻呼吸をせず口呼吸にすることでどんな影響があるのでしょうか。
口呼吸をすることによって口内が乾燥すると、口内の細菌を退治したり、汚れを洗い流すはずの唾液が口のなか全体に行きわたらなくなることで、虫歯や歯周病の原因菌が繁殖してしまいます。また、歯の表面も乾燥してしまうことで汚れがつきやすくなり、歯の黄ばみや着色汚れの原因にもなります。
口呼吸は常に口の周りの筋肉(口輪筋)が緩んだ状態になり、使わない筋肉はどんどん衰えていくため、顔の表情筋も緩んだ状態になってしまい、目元や頬、などにたるみやシワができてしまいます。また、舌の位置を固定するための筋肉も衰えてしまい、二重あごやいびきをかく原因にもなります。
慢性的な口呼吸は口を開いている状態なので、外側からの圧力がかからず内側からの舌による圧力ばかりがかかった状態になるため、出っ歯や受け口などの原因になることがあります。
口呼吸では、鼻呼吸のように細菌やウィルスを退治することができないため、空気を吸ったときに一緒に入ってきた細菌やウィルスに感染してしまい、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなります。
口で呼吸する対策とは?
口呼吸になってしまう原因は1つではありません。口呼吸によって起こる影響を知ることで鼻呼吸にしなければと思った方も多いのではないでしょうか。口呼吸になってしまう原因は、まず口を閉じたときに鼻呼吸ができるかどうかを試してみて下さい。
このときに鼻が詰まっておらず鼻呼吸ができる方は、意識的に口を閉じるようにしていけば少しずつ改善することができます。鼻が詰まっていて鼻呼吸ができない方は耳鼻科で鼻がつまっている原因を治療しましょう。また、泣いたときやあくびなどの一時的な鼻づまりは、鼻粘膜の血流が悪くなっているので鼻を温めて血行をよくすると鼻が通りやすくなります。
鼻呼吸にするために、日常生活のなかで口呼吸を改善するための対策はどんなことができるのでしょうか。
口呼吸対策
◆ガムをかむ
口を閉じてガムをかむことで口を閉じて鼻呼吸をする練習や口の周りの筋肉を鍛えることができます。
◆鼻呼吸テープを口に貼る
ドラッグストアなどでも購入できる鼻呼吸テープで、寝ている時に口が開かないようにするのに効果的です。
◆マスクをつける
マスクをつけることで鼻呼吸を意識することができ、うっかり口呼吸をしても口の中の乾燥を防ぐことができ、ウィルスや感染症の予防をすることができます。
◆あいうべ体操
口で呼吸をしてしまう原因の1つには口を閉じるための筋力が不足していることもあるため、毎日少しの時間トレーニングをして筋力アップさせることでで口を閉じる力をつけて鼻呼吸することが大切です。また、太っているとあごや首の周りにも脂肪がついてしまい気道を塞いでしまい口呼吸になってしまいます。
大きな口を開けて「あー、いー、うー、べー」と5秒、1日30セット(約3分間)を目標にしてやってみましょう!
まとめ
口呼吸は癖になってしまっている方もいれば、鼻が慢性的に詰まっている方など原因は1つではありません。最近では口呼吸を改善するための予防グッズなどもドラッグストアなどで販売されているので、そういったグッズを利用するのも1つの方法です。
口呼吸をすることによるメリットはありません。年齢とともに衰えていく顔の表情筋やあごのたるみなどは、鼻呼吸に改善するためにもトレーニングをして筋力をアップさせて口呼吸から鼻呼吸へ改善をしていきましょう。